そもそも確定申告ってどういうもの?

日本は、納税者自らが収入と税金の計算をして申告と納税を行う申告納税制度を採用しており、一年間の収入や税金を申告する事を確定申告と言います。

一般的に確定申告と言えば所得税の確定申告が有名であり、給与所得や事業所得といった労働の対価である所得や、不動産や株式の売却益に係る譲渡所得、年金収入やFXの利益といった雑所得を申告する人が大部分を占めています。

つまり、相続により取得した土地の売却益は譲渡所得として申告しますし、年末調整では控除できない医療費控除やふるさと納税の寄附金控除など、所得控除の適用を受ける場合も申告が必要となります。

なお、確定申告は一年単位で行うものであり、毎年1月から12月までの収入に基づいた所得や税金は、翌年3月15日の申告期限までに申告と納税を行わなければいけません。

ただし、計算した税金より給料や報酬などから予め徴収された税金の方が多い場合は、申告する事で多く払った税金の還付を受ける事ができ、その場合は還付を受ける年分の翌年1月1日から5年の間に申告書を提出すれば良いとされています。

土地を売却しても損をしてしまう場合とは?

不動産の売却益(譲渡所得)は売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて計算しますが、一般的な不動産取引では取得費以上の価格で売却される事は多くありません。

また、売却時に一定の要件を満たす場合は特別控除の特例を適用して、売却益から1,000万円を超える特別控除額を差し引けますし、相続税を負担して取得した土地などを売却した場合は、その土地に係る相続税分を取得費に算入できる特例もある為、譲渡所得が生じる事は少ないと言えます。

譲渡所得が生じるケースは、取得費が不明である場合が考えられます。特に相続により取得した不動産は、取得した日が古いなどの理由で取得費が不明の場合があり、そうした場合は売却価格の5%相当額を取得費とする事ができます。

そうすると売却価格の95%から譲渡費用を差し引いて売却益を計算する為、譲渡所得が発生する可能性は高くなります。

このように土地を売却した場合は損失が生じるケースが多いですが、損失が生じた場合は税金は課税されませんし、確定申告をする事で節税を図る事もできますので、一概に悪い事とは言えません。

確定申告で損失が戻ってくる場合とは?

居住用の住宅と共に土地を売却して損失が生じた場合、その損失額を給与所得など他の所得から差し引いて税金を安くする事ができます。

これを損益通算と言い、この適用を受ける為には確定申告をする必要があります。

また、損益通算により他の所得から控除してもなお損失額が残ってしまう場合は、その損失額を翌年以降3年間で生じた所得から差し引く事ができます。

これを繰越控除と言い、この適用を受ける為には確定申告の申告期限までに申告書を提出しなければいけません。

これらの特例は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている事、売却した年の前年1月1日から売却した年の翌年12月31日までの3年間で床面積が50平方メートル以上の住宅を取得し、その住宅に取得した翌年の12月31日までに住み始めている(住み始める見込みがある場合を含む)事、住宅を取得した年の12月31日時点でその住宅に係る返済期間が10年以上の住宅ローンがある事が要件となります。

なお、相続により取得した不動産の所有期間は、被相続人が当該不動産を取得した日から起算する点に留意して下さい。

まとめ

相続により取得した土地は、活用方法が見つからなければ固定資産税を払うだけの遊休地となってしまう為、売却を検討する事も必要となります。

もし、売却によって損失が生じてしまった場合でも、売却に対して税金は課税されませんし、損益通算や繰越控除の特例を適用して節税を図る事ができる上、固定資産税の負担が無くなりますのでメリットの方が多いと言えます。