不動産と言っても、住居として建てられたものや店舗やオフィスとして利用されてきた物件、はたまた相続した土地など種類もさまざまです。それに加えて、立地条件や経済状況、流行などでも求められる不動産も変化するのが一般的です。だからこそ、不動産の査定を適切に見定めるためには、事前の知識や経験がポイントになります。

知っておきたい不動産査定の基本

一般的な見解として、同じ条件や状態の不動産は他には存在しません。それだけに、所有する不動産がどれだけの価値あるものなのかを見極めようと思っても、知識や経験に乏しければ何から手をつけて良いのかも分からないのが本音でしょう。そこで、不動産が売却されるまでの基本的な流れを確認することから始めましょう。

通常、不動産は不動産登記によって所有などの権利を管理しています。そこで不動産を金銭的に売買する契約書に加えて、登記の変更が行われることになります。

特に売却を考える物件が自宅であるような場合には、自身のライフスタイルや家族との関係性などの変化を改めて見直してみることで、その後の計画がたてやすくなるので実践してみましょう。また、店舗やオフィスとして賃貸している場合でも、貸し主との関係を考える意味でも売却理由を確認しておくことは重要です。

不動産には、査定額と売却額という2つの価値観があります。

査定額

査定額が示しているのは客観的な意味での価値です。

売却額

一方、売却額とは実際の売却で相当とされる金額になります。

査定額と売却額の関係

査定額よりも売却額が高くなるケースには、買い手が複数いる時や買い手が特に物件を気に入り、購入を強く希望するような状況があります。また、それとは反対で、査定額よりも売却額が安くなってしまうことも少なくありません。さっきとは反対で売主の方で売り急いでいたりして、相場以下でも売却するような場合です。

不動産査定は基本的に無料で依頼できる

さらに事前の知識として知っておきたいこととして、査定を依頼する時にかかる費用は無料が基本です。

ただし、例外として、不動産鑑定士などに依頼する時は有料になります。不動産鑑定士の主な業務に不動産の査定がありますが、この鑑定額が相続税のベースになったりもするので公的な意味合いが大きいのも特徴です。

一般的には無料が基本となる不動産査定ですが、その存在が唯一無二なだけに査定額を算出する方法も簡単には決められません。それだけに幅広く知識や経験をいかしながら、なるべく近い条件の物件を参考にして比較することで査定を行う方法も利用されています。

このような方法であれば、一般的な流行もほどよく加味されることが期待できるでしょう。

それでも個性が出やすいことがより不動産査定を難しく曖昧に感じさせる部分なので、これまでに手掛けた査定数や実績の豊富さも業者を選ぶ際には参考にするのもありです。

しっかりと査定を行えば、それだけ概ねの売却金額も掴めるので、その後の売却も検討しやすくなるのがポイントです。

2種類ある不動産査定の違い

大きく分けると不動産の査定方法には、一括査定と訪問査定と呼ばれるものがあります。

一括査定とは

基本的な査定を無料で行なっている複数の業者に対して同時に依頼する方法で、メリットとして価格が見定めにくい不動産物件であっても相場の金額をつかめるのが特徴です。

訪問査定とは

実際に営業マンが物件の状態や近隣との関係、道路などの不動産査定に関わる現状を目で見て不動産の価値を算出します。物件を確認しているので査定金額に高い信用度があるのが魅力でしょう。

査定方法において押さえておきたい注意点

不動産の価値を表す意味で査定額と売却額の2種類が使われますが、査定方法において押さえておきたい注意点もあります。

訪問査定を行うと確かに現物を確かめるので、より具体的な査定額が算出されるでしょう。しかし、不動産の価値は、ニーズやマーケットの動向などにも大きく影響されるのが一般的です。

その意味では、様々な依頼物件を抱えた複数の仲介業者を利用することで、物件の価値に見合った相手を見つけ出してくれることが期待できます。

資産価値として所有する不動産の査定を行うことが目的であれば査定方法の違いに大きな意味はありませんが、実際の売買では欲しいと手を挙げてくれる相手を見つけることができなければ契約は成立しません。

そこで、最終的に不動産の売却を目的とするのであれば、査定額ではなく、実際のニーズに反映された売却額を知ることが重要になります。つまり、目的に合わせて訪問査定と一括査定を使い分けることで、それぞれの強みを活用することができるのです。

業者の中には訪問査定から依頼を受けることは時間も手間も掛かるだけに腰が重く、まずは基本スペックから査定を行うことから話しを進める方が動きやすいと考えている業者もいます。そんな業者の希望も加味した一括査定は、双方にとってメリットがあります。

その上で訪問査定が依頼されれば、適した日時を決めて業者が査定を始めます。また、査定している間、依頼者も一緒に立ち会うことを求められるだけでなく、状況によっては近所などに物件の売却を計画していることが知られてしまいます。気になるのであれば、事前にその旨を伝えることで、業者の方でも目立たない工夫をしてくれることがあります。

不動産査定は一括査定を使うのがおすすめの理由

不動産の売却を目的とするのであれば、所有する不動産の客観的な価値を把握することと売却契約を結ぶ相手を探すことが大切です。特に物件の売却先まで自らが見つけられるケースでなければ、不動産の仲介業者に依頼するのがおすすめです。また、業者それぞれにも得意な物件や地域などの違いがあります。

そんな場合に一括査定を利用すると、複数の業者に依頼が出せるので手間もかからずにスピーディーに査定が可能です。複数の業者から査定額を聞くことで、所有する不動産の価値を改めて認識して、実際の売り出し金額も決めやすくなるでしょう。

相場を理解しておけば、買い手から値下げの依頼を受けた時にも、済し崩し的に応じる必要がなくなり、自分のペースで交渉を続けることができます。

場合によっては、複数の仲介業者を同時に依頼して双方で競争を促し、希望額で契約を取り付ける使い方も規約に反していなければ可能です。

利用料金が無料ということもあり、不動産の売却を検討している場合には、一括査定を業者との入り口として利用してみると良いでしょう。業者にすれば、一括査定サイトに自社の情報を載せることで宣伝と営業を兼ねていると言えます。つまり査定額を知るのはとても簡単で便利な上に、その後の売却依頼を検討する意味でも力を発揮してくれるでしょう。

特に依頼者にとってフィーリングの合う業者に出会えることは、その先の売買契約を行う時にも重要で、事前にお目当ての業者がなかった時には一括査定で絞り込みが行えるので候補となる業者のピックアップもできてしまいます。不動産売買を個人が全て行うことは難しい点も多いだけに、仲介業者の選定が売買を成功させるキーポイントとも言えるでしょう。

こちらの希望や条件を伝えて話しを聞いてもらい、不動産を取り扱うプロとしてアドバイスを受けることで相性も分かるはずです。多少の査定額の違いで惑わされるよりも、気に入った業者選びに主眼を置くことでスムーズなやりとりができるでしょう。

必要があれば、一括査定の後に訪問査定を依頼して、より実践的な不動産としての価値を見極めてもらうこともできるはずです。堅実な実績ある業者とタッグを組むことで、最初は何から手を出して良いのか分からなくても、次第に成り行きも見えてきて納得できる不動産売買につながるでしょう。業者としても、営業を効率的に行えるので、依頼者の要望を親身になって聞き、経験や知識を駆使してサービスを充実させた接客で期待にこたえてくれるはずです。

一括査定を利用する際の注意点

一括査定を利用することで、多くの業者に売りたい物件があることを伝えられます。しかし、その行為によって、場合によっては全く依頼していない業者を含めて勧誘電話が頻繁に掛かってくることがあります。

情報が広く伝達することで、査定額の面で大きなメリットが得られる反面、デメリットとして、依頼者にとって願っていない第三者からの勧誘に悩まされるケースも否定はできません。

また、肝心な一括査定を行なった場合に、各業者からの査定額に大きなバラツキが存在するなど、その後の売り出し額を決定する上で参考にならないことがあります。特に概算的な情報だけで査定を行う場合には、正確な金額を査定することが難しいこともあり、結果として参考にしづらい事態が起こってしまうのです。

特に地元の業者に査定を依頼したいと思っていても一括査定に参地元の業者が参加していないこともあり得るので、事前の業者選びの候補に組み込まれていないケースもあります。

また、一括査定システムに起こる問題点として、それぞれの業者が仲介したさに査定額を甘めに算出することも挙げられます。

不動産売買では査定額が買い取り価格ではないことから、目をひく金額で営業する問題ある業者も参加してくるからです。

これも不動産売買の難しさでもあるのですが、業者によっても金額にバラツキが出るだけでなく、評価や指摘するポイントにも一貫性がないなど、経験の少ない依頼者にとっては物件の価値を見極める上でつかみどころがなかったりします。

そうなると、場合によっては査定額の高い、安いが目安になってしまい、結局は業者の思惑通りにことが進んでしまうこともあるのです。

契約をすぐに結ばせようと急かしてきたり、業者として適正な価格を説明しないで一方的に話しを進めてしまったりする場合には、契約を交わす前に早めに距離を置いて様子を見る必要があるでしょう。一括査定を良さはスピーディーな面も挙げられますが、一方では多くの業者にコンタクトしてしまうことが逆に問題点を引き寄せてしまう結果に繋がります。

一括査定サイトの問題点として、サイト運営会社がシステムを提供しているだけのケースも珍しくありません。不動産売買を行う時には、宅地建物取引業の資格が必要になりますが、一般的なシステム構築だけであればその資格は必要ありません。

言い換えると、システム構築会社は取引そのものに関与しないことがあり、利用者にすれば問題点を相談したり改善を求めたりしたくても、サイト運営会社では取り合ってはもらえないことが起こり得ます。そうなってしまう前に、利用者が自ら防衛策を講じる上でもサイトの使い方や問題点を理解しておくことも大切でしょう。

信頼できる不動産会社を見つけるには?

満足度の高い不動産売買を希望するのであれば、目先の売買額にとらわれ過ぎてはいけません。

不動産売買では、売り主と買い主の間に業者が介入することでスムーズな流れを作ることが期待できると考えられますが、注意したいポイントもあります。

売買契約を優先し過ぎることで、満足な説明がなされないままになってしまうケースや親身になって話しを聞いてくれなかったりしては、例え売却が済んだとしてもスッキリとしません。

信頼できる不動産会社なら、何よりも依頼者の話しに耳を傾けてくれて、押さえるポイントをしっかりと掴み、ある意味ではマイナス面も親身にアドバイスしてくれるはずです。売買契約を急かしたり、説明もなく話しを勝手に進めてしまったりするような業者だと分かった時は注意しなければいけません。