確定申告

土地を売却する場合に注意しなければならない点の一つに、売却した年の翌年に所得税の確定申告をしなければならないことが挙げられます。

会社勤めをしている人だと、12月に年末調整のための書類を提出しなければならないものの、所得税の申告と納税に関する手続きはすべて会社の方でやってくれますが、土地を売却すると自分で確定申告の書類を作成し、税務署に提出しなければならなくなります。

ただし、土地を売却した人すべてに申告義務が生じるわけではなく、ケースによっては申告をしなくても良い場合があります。

確定申告が必要かどうかについて

確定申告が必要かどうかは、1月1日から12月31日までの間に土地の売却によって得た譲渡所得を計算すればわかります。

方法は単純で、譲渡収入金額から必要経費取得費を差し引いて「譲渡所得」を計算し、この所得が生じていたら申告をしなければならず、ゼロもしくはマイナスとなっていれば申告は不要となります。

譲渡所得の計算について

譲渡所得を計算するときに重要なのは、どんな費用を算入することができるのかということです。

譲渡収入金額は、売買代金と未経過分固定資産税の精算金が含まれます。ケースによってはこの他にも譲渡収入金額として算入しなければならないものもありますが、一般的な土地の売却では売買代金と精算金だけを考えておけば問題はありません。

必要経費とは

売却手続きの中で直接支出した費用のことで、仲介手数料や印紙代、登記費用、不動産鑑定料、土地売却に先立って実施した解体工事の費用などが該当します。

取得費とは

土地の場合は取得にかかった費用に設備費や改良費を加えたもので、購入代金や仲介手数料、契約書にかかる印紙税、不動産取得税、特別土地保有税、土地造成費用などが該当します。

長期譲渡所得・短期譲渡所得

もし、1年で複数の土地を売却した場合は、土地の取得日から売却年の1月1日までの所有期間が5年を超えている物件は長期譲渡所得に、それ以外の物件は短期譲渡所得に分類し、各区分ごとに譲渡所得の計算をしなければなりません。

もし、長期と短期の両方に該当する物件が存在する場合は、どちらも譲渡所得がなければ税務署への申告が不要となります。

譲渡所得がなくても確定申告をしなければならない場合とは?

該当するケースとしては、特別控除ができる特例を適用する場合、年収が2,000万円を超えている場合、年末調整の対象にならなかった場合、2箇所以上から給与所得を得た場合、給与所得以外に20万円以上の所得がある場合などが挙げられます。

譲渡所得がマイナスであっても確定申告をした方がお得?何故?

何故なら、売却する土地が一定の要件を満たしていれば、申告することにより特例を適用することができ、所得税の節税ができるからです。

例えば、居住目的で所有していた長期譲渡所得に分類される土地を、住宅ローンの返済期間が10年以上残っている段階で売却のための売買契約を締結した場合、譲渡損失が生じていれば、特例により売却した年に生じた他の所得と損益通算をすることができます。

このとき、損益をすべて控除できなかったら、翌年からの3年間も税務署に所得税の申告を行うことで、繰越控除を適用することができます。

損益通算と繰越控除を行うと、課税対象となる所得金額を減らすことができ、所得税額の減額につながり、場合によっては納めすぎた税の還付を受けられます。

最後に

確定申告は、売却した土地に関する書類や、所得金額と税額の算定の根拠となる書類などを用意し、所得金額および税額を計算して申告書を完成させ、2月16日から3月15日までの間に税務署に提出します。申告義務を怠ると、後で附帯税の納税を求められるので、忘れずに申告を済ませましょう。