相続税については、土地に限らず全ての遺産に係る基礎控除というものがあります。この基礎控除の金額は、3,000万円+(プラス)600万円に法定相続人の数を乗じたものを加えて決まります。

相続の放棄があっても、この計算時には放棄がなかったものとして算入され、控除額がその分大きくなります。

税の計算の仕方は何段階かに分かれます

まず、課税遺産総額を法律の規定通りに取得したと仮定して、各人の仮の税金額を計算します。このときの税金額の計算には速算表があります。

1,000万円以下では税率10%、1,000万円を超えて3,0000万円以下までなら税率15%-50万円、3,000万円を超え5,000万円以下までなら税率20%-200万円、5,000万円を超え1億円以下までなら税率30%-700万円などとなっています(6億円まで段階的に税率と控除額が上がり、6億円以上で税率55%-7,200万円となります)。

しかし、実際の割合は法律の定め通りとならないことも多いものです。仮の相続税の総額に、各人が実際に受け取った課税価格の割合を掛けて、各人の算出税額を計算します。

この時に、配偶者や親子でない場合には2割が加算されます。この土地に限らない遺産全体については、更に税額控除があります。

生前贈与(相続開始前3年以内に贈与を受けた人)が贈与税を課された場合にはその税額が相続税から引かれます。配偶者には税額軽減があり、配偶者の取得した財産が1億6千万円または配偶者の法定分以下の場合には税がかかりません。未成年者では、20歳になるまでの年数に10万円を乗じた額が引かれます。

土地の価格の評価には、倍率方式と路線価方式とがあります

倍率方式とは

市街地以外の、路線価が定められていない郊外地や農村部などにある宅地の評価方法です。

路線価方式とは

市街地にある宅地の評価方法です。路線価は、毎年1月1日を基準日として、国税庁から7月1日に発表されます。国土交通省が決定する公示価格の約80%となります。宅地が面する道路ごとに付された1平方メートル当たりの価格(路線価)に基づいて、宅地の評価額を計算します。

正面路線価×奥行価格補正率+速報路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率を計算し、それに地積を乗じたものが評価額となります。

正面と裏面とが道路に面している宅地は、正面路線価×奥行価格補正率+裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率を計算し、それに地積を乗じたものが評価額となります。

宅地の用途によって評価額が異なる

宅地の用途についても、自用地(土地の所有者が自分のために使用している)、借地権(土地を借りている場合の権利)、貸宅地(人に貸している宅地)、貸家建付地(自分の土地にアパートを建てて他人に貸している場合の宅地)で評価額が異なります。

借地権の割合は、路線価とともに公表されています。路線価の横にアルファベットのA~Gが付されています。Aが90%で、あとは10%ずつ減少していき、Gで30%です。

故人が居住や事業に用いている宅地では、承継者が居住や事業を承継したため高額の税金が課せられては、承継者が居住や事業の引き継ぎができなくなってしまいます。そのような宅地については、評価から一定割合の評価減を受けることができます。この制度を「小規模宅地などの評価減の特例」といいます。

要件は「故人または個人と生計を一とする親族の、事業用または居住用の宅地であること」「建物または構築物の敷地であること(空き地や青空駐車場では不可)」「申告期限までに遺産分割が終了していること(未分割では適用不可。ただし、申告期限から3年以内に分割か確定した場合は適用可能)」などがあります。

この特例の適用を受けた場合の減額割合と限度面積は、居住用宅地などで330㎡まで80%、事業用宅地等で400㎡まで80%までです。

居住用宅地で、この特例を受ける場合、配偶者が取得した場合は所有要件も居住要件もありません。しかし、同居親族が取得する場合と、その宅地が故人の居住用ではなかった場合とでは、取得する親族が申告期限までに所有していることと居住していることが必要となります。

また、故人が亡くなる前の3年間に日本にマイホームが無かった人については、所有要件を満たす必要があります。故人が事業に用いていた土地と、故人と生計を一にしていた親族が事業に用いていた土地については、その親族が取得し、申告期限まで所有し事業を続けていることが要件となります。

具体的に減額される金額は、宅地の評価額に総地積に対する限度面積を掛け、さらに減額割合を掛けることで求めることができます。この特例の適用を受けるためには、特例適用後の税額が0円となった場合でも、申告書を提出する必要があります。土地を遺産として受け取った場合、まず遺産全体で受けられる控除を考え、次に土地に対する特例を考えることになります。