遺産分割

自分だけが相続をする対象であれば、問題ありませんが、実際はかなりレアケースであり、たいていの場合は数名にその権利が発生することになります。

法定相続人として、被相続人の配偶者、子供などが該当します。仮に被相続人の子供が亡くなっている場合には代襲相続として、その子孫に権利が生まれます。

このため、被相続人の配偶者、子供だけであればその中で相続をすればいいものの、仮に配偶者がいなかったり、子供も亡くなっていたりした場合には、多くの人物が相続人となることも考えられます。すると、遺産分割もかなり煩雑なことになるため、生前にそのあたりのことを確認しておく必要があります。

遺産分割をする場合、相続財産がどれだけあるのか、それを確定させる作業から入ります。

相続財産の対象となるのは家や土地などの不動産、預金、有価証券、自動車、貴金属などです。

これにローンなどの負の遺産も加わります。負の遺産が上回るような場合には相続を放棄するということになり、相続するものをすべて処分する形となります。

相続財産があった場合、法律で決められた相続分に応じて分配されることになります。配偶者であれば相続財産の2分の1、残りの半分を別の家族が分けるという形です。

例えば、子供が2人いれば、2分の1の相続財産を二等分し、4分の1ずつをもらうことになります。もし配偶者が亡くなっている場合には、子供の人数分で分けます。

相続財産が現金であればトラブルになることはまずなく、法律で定められた相続分を分配するだけで問題ありません。しかし、不動産しかない場合は問題となり得ます。

遺産分割する場合、考えられる4つの方法について

不動産を物理的に分配することはかなり厳しいのが実情です。自宅を遺産分割する場合、考えられる方法として、4つあります。

換価分割

まずは自宅を売るという考えです。
換価分割とも呼ばれ、不動産を売って得た代金を法律で定められた相続分で分配するというものです。これが一番シンプルですが、相続人の同意が必要となります。

つまり、配偶者と子供数名の同意がなければ不動産の売却は出来ないということです。そして、同意がないまま、仮に子供の1人が亡くなり、その子供に家族がいたとすれば、今度はその奥さん、子供に権利が発生し、その人たちとの許可も必要になります。

早々に決着をつけないと関与する人がそれだけ多くなり、問題がより複雑になるため、注意が必要です。

今まで住んできた家を相続を契機に売り飛ばすというのは出来ないと考える家族が多いのも事実です。

この場合は、自宅を残しながら相続を行い、遺産分割をするということになります。

現物分割

その選択肢としてあるのは、現物分割というものです。土地そのものを法定相続分で分割し、新たにそれぞれの不動産を建てるということになります。

確かにこれだと揉めることはそこまでありませんが、問題がいくつか考えられます。

自治体によっては敷地の分割を制限する条例が存在します。そのため、分割をしようにも制限に引っかかり、事実上不可能であることもあります。仮に現物分割を考えている場合には条例を確かめることが大事になります。

代償分割

次に代償分割という考え方です。1人が自宅など不動産を相続する代わりに他の人物はそれに見合うお金を手にするというものです。

例えば、不動産の価値が3000万円の場合、配偶者が不動産を取得する際には、残りの子供にお金を譲渡することで代償分割ということになります。ただ、その際にかなり多くのお金を用意しなければならず、この場合は1500万円のお金を手渡すことが条件です。

この工面として、不動産を担保に入れてお金を借りるなど様々なことが考えられますが、返済能力がなければそもそも銀行は融資をしてくれません。返済能力がある人物が取得し、お金を工面し、それを分配することになりますが、そこまでして不動産を取得するのかどうかという問題が出てきます。

共有分割

現実的に考えられるのは共有です。共同で相続するというものであり、名義が複数人に及びます。これならば当面トラブルになることなく、やり過ごすことができます。

ただ、そのやり方はのちにトラブルを呼ぶ原因になり、様々な人が相続の対象となる原因にもなりかねないことから、リスクもあります。

まとめ

いずれの場合にしても、メリットもデメリットもあり、気を付けなければならないポイントはたくさんあります。

トラブルを避ける為にしておきたいこととしては…生前に不動産をどうするのかという話し合いを取り持つことです。

相続放棄をし、長男(長女)にすべて引き継いでもらうようにするということも可能であり、相続権を主張するのではなく、争いを避けるためにあえて身を引くのも1つの手です。

そして、現金を分ける場合でも、どのようにして分けるのかを事前に話し合えば、トラブルになることもありません。こうしたことを積み重ねていくことで、スムーズな遺産分割が可能になり、遺産を巡る親族同士の醜い争いを避けることが出来ます。